

黒留袖や色留袖に合う髪型とは?長さ別ヘアスタイル・おすすめのアレンジ・髪飾りや所作・注意点も!

黒留袖や色留袖に合う髪型とは?長さ別ヘアスタイル・おすすめのアレンジ・髪飾りや所作・注意点も!
フォーマルシーンで着用する機会が多い留袖コーデは、髪型によって見た目の印象が大きく変わります。
親族の結婚式や叙勲の授与式、格式の高い式典やパーティーなどで多くの参列者の目にとまるため、どこから見ても気品が感じられる礼儀にのっとったヘアスタイルに仕上げたいものです。
そこで今回は、黒留袖と色留袖に合う髪型の特集です!
留袖コーデにふさわしい髪型のポイントや長さ別のおすすめ、また50代以上の皆さんに向けて若々しく見せるコツもご紹介します。メイクや品よく見える所作についても解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
留袖は品よく清潔が基本!
留袖は、黒留袖や五つ紋の色留袖なら、最高の格を意味する第一礼装ですし、三つ紋や一つ紋の色留袖なら第一礼装に次ぐ準礼装になります。そのため、普段着の小紋や紬、無紋の訪問着や付け下げとは明らかに一線を画す存在です。よって、髪型にもそれなりの配慮が求められますよ。
同じ第一礼装で、独身女性のみが着用する振袖がありますが、こちらは例外です。とくに成人式では好みのカラーに手の込んだ編み込み、パーマ、ゆるふわハーフアップ、後毛など、伝統というよりはトレンドのヘアスタイルを楽しむのが、当たり前になっています。
髪飾りやヘアアクセサリーも、かなり煌びやかで派手なものが多いですよね。
でも留袖の場合は、格式と伝統を重んじ、品位を汚さない清潔感のある髪型にするのが礼儀です。留袖に袖を通す際には、ご自分の好みは一旦横に置いて、第三者目線でフォーマルシーンにふさわしいヘアメイクができているか、厳しめにチェックするくらいの心づもりでいてくださいね。
留袖にふさわしい髪型のポイント5選
それでは早速、留袖にふさわしい髪型の特徴やポイントについて解説しましょう。
具体的には、以下の5つになります。
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アップスタイルが基本
留袖にふさわしい髪型の基本は、スッキリ感のあるアップスタイルです。「夜会巻き」「シニヨン」「まとめ髪」などがあり、フロントやサイドに櫛目を入れて凛とした清潔感を演出するようにします。
- 後毛
- ほつれ
- ゆるふわハーフアップ
- 毛先を遊ばせる
- 盛り髪
- ルーズなダウンスタイル
といったヘアスタイルやアレンジは、控えましょう。
すぐ後に解説しますが、前髪の処理も大事です。おでこがすべて隠れるのは基本的にNGです。
留袖は、お子さんの結婚式や披露宴、格式の高いパーティーなどで着用するため、普段お世話になっている方や大事なお客様、恩師、さらに叙勲であれば皇室関連の方たちとまじかでお会いしたり、挨拶したりする機会があるでしょう。
その際にご自分の表情がお相手によく見えるようにして、コミュニケーションの妨げにならないことが大切です。
襟足を綺麗に
留袖コーデは、襟足の表情もヘアスタイルの一部です。うなじが綺麗だと髪型だけでなく、後ろ姿全体が女性らしく美しく、そして品のある清潔感を帯びます。後毛が残らないようにしますが、途中で崩れないようにヘアピンやヘアスプレーで固めておくと安心ですよ。
一般的にセンターから左右対称に「W」あるいは「M」字に見えるように髪を残すと美しい襟足になるとされています。
ホットタオルでうなじを温めて、シェービングクリームを塗ってカミソリで剃れば、綺麗に仕上がりますが、不慣れな方は危ないので、理容室でプロの方にお願いする方がよいでしょう。
あまりに髪の生え際近くを剃り過ぎると青くなることもあるので気をつけましょう。
本番当日の1週間〜3日前くらいまでに処理するのがおすすめですよ。
前髪処理は5パターン
先ほどもお伝えしたように、留袖の際は、おでこがすべて隠れないようにセットするのが基本。
具体的には、以下の5パターンがありますよ。
- オールバック・・・前髪をすべて後に流すので、表情がスッキリ明るくなります。
- サイドパート・・・前髪をサイドで分けて、おでこを出します。女性らしくエレガントな仕上がりに。
- センターパート・・・前髪をセンターで分けます。顔がスッキリと見えて清潔感がでます。
- 流し前髪・・・おでこを少しだけ隠す感じで横に流します。髪の毛の曲線ラインがオシャレ感と女性らしさを演出します。
- 耳隠し・・・前髪をサイドに流して耳を完全に隠します。レトロ感が出ますが、人によっては似合わないので美容師さんのアドバイスを聞いてからが無難かもしれません。
ヘアカラーは控えめに
留袖コーデでは、髪の色は黒か控えめのブラウンが一般的です。派手なカラーリングはふさわしくないので注意しましょう。
髪飾りは品よく控えめに
留袖の髪飾りでおすすめは、「かんざし」か「つまみ細工」「コーム型の髪飾り」です。品を重んじて派手にならないようにしましょう。
ただし、結婚式や披露宴といったおめでたい席では、金や銀、パールなどを使った明るいものを意識するのがよいでしょう。
漆塗りや鼈甲のかんざしであれば、吉祥文様や有職紋様など縁起のいい柄が描かれたものは、品が感じられて意外と目立つのでおすすめです。
季節感も意識するのもおすすめ。
留袖の柄が、春夏秋冬でそれぞれ違った特徴があるので、それに合わせて髪飾りも変えてみるとよいでしょう。
とくにバチかんざしは、春なら桜や梅、夏なら朝顔や紫陽花、秋は紅葉、冬は椿など、柄が違うだけで雰囲気がガラリと変わるものですよ。
カラーも、春はピンク、夏はブルー、秋はオレンジやブラウン、冬は雪を思わすシルバーやホワイトなど、季節をイメージさせるものがあしらわれていると、留袖と実によくマッチします。
とくに以下のようなものは目立ちすぎたり、派手すぎたりしてばの雰囲気に馴染まない可能性があるので避ける方がよいでしょう。
- 造花
- プリザーブドフラワー
- 生花
- リボン
- 水引や紐
- 金箔・ラメ
- 帽子・ヘッドドレス
動くたびに揺れるタイプのかんざしもNGです。
![]() | 留袖におすすめの髪飾りやヘアアクセサリーは?選び方や留袖に合う髪型とポイントも! 留袖におすすめの髪飾りを詳しく解説しています。合わせてご覧ください。 |
長さ別のおすすめ髪型
ここからは、髪の長さ別におすすめのスタイルをご紹介しましょう。
ロング・ミディアムヘア向け
ロングヘアは、夜会巻きやシニヨンでアップスタイルにします。髪の毛にツヤを出し、編み込まずに大きなねじりを入れて仕上げると上品な留袖美人に仕上がりますよ。シニヨンは位置を下げすぎないように気をつけましょう。
ミディアムヘアの方も、基本的にシニヨンがおすすめです。丁寧に流して面の美しさを演出できるように仕上げるのがコツです。
留袖コーデでは、襟足やうなじに後毛を残すのはNGです。自信がない場合は、ヘアピンやスプレーを使ってしっかり固定してください。
矢先を遊ばせるのも控えましょう。全体のボリュームが出過ぎないように(トップやシニヨンの自然なボリュームはOK)注意してコンパクトに仕上げると、全身のシルエットが美しくなりますよ。
ショートヘア向け
ショートの場合は、髪の長さにもよりますが、可能なら基本マナーであるアップスタイルを目指しましょう。とにかく襟足を綺麗に見せることが大事です。毛の長さが足りない場合は、付け毛などで対応してくださいね。
ボブやベリーショートの方は、アップにできないこともあるでしょう。その場合は、ヘアワックスやスプレーでしっかり固め、シャギーも抑えて毛先が出ないように仕上げてください。
50代以上必見!若々しく見せるコツ
留袖は、一般的に年齢が50代以上になると着用する機会が増えます。
そこで50代以上の皆さんが若々しく素敵に見えるヘアセットのコツをお伝えしましょう。
髪表面にツヤを出す
留袖の特徴の一つに、絵羽模様が裾にしかないというものがあります。つまり、帯より上は着物自体のカラーと紋が付いているくらい、というシンプルなスタイルです。この点は、例えば振袖とはまったく異なります。
だからこそ髪型はあまり個性を出しすぎずシンプルなアップスタイルがマッチします。でも50代以降になるとシンプル過ぎるゆえにどうしても「年相応」の見た目になりがち。
そこで髪表面にツヤを出すと、若々しさが演出できますよ。
スタイリング剤や椿油を使うと艶やかになりますし、適度にブラッシングしてから綺麗な毛流れを作るようにするとよいでしょう。
トップに程よくボリュームを出す
夜会巻きにしてもシニヨンにしても、まとめ髪でも、トップを盛り過ぎると違和感が出ます。といってあまりにペタンコだと老けた感じが強調されるでしょう。そのため、盛りすぎず抑えすぎず、程よくボリュームを出すようにしてみましょう。
シニヨンを下げすぎない
留袖の場合、シニヨンは基本的に低めの位置でいいのですが、下げすぎると重たさが出るので、後ろから見て襟足が隠れないくらいの高さに調整しましょう。
留袖コーデはメイクも大切
留袖コーデにおいて髪型と同じく顔周りで大事なポイントとなるのが「メイク」です。
品と清潔感を意識するのは、髪型と同じですよ。
まずファンデーションは、肌色よりも少し明るめのものにします。ただし首との違いが目立たない程度を意識して、気になるなら首にもファンデを塗ることをおすすめしますよ。
ハイライトでツヤや立体感を出したりせず、マットに仕上げるのもポイント。
ノーズシャドウやチークシャドウも使わず、チークは肌馴染みの良いオレンジ系やローズピンク、ピンクベージュがおすすめです。
目元はいつもよりはっきりさせるように意識して、アイラインを少し太めにしましょう。
眉も、眉山を強調するとキツく見えることがあるので、丸く描いて優しい雰囲気が出るようにするとよいでしょう。
アイシャドウも、肌色に近いベージュやピンク、ブラウンなどで控えめにします。
口紅は、落ち着いて見えるローズ系がおすすめです。ローズが苦手な方は、ブラウン系でもいいですよ。リップペンシルで輪郭をとり、リップブラシを使って内側から丁寧に塗っていきましょう。
ヘアメイク以外の注意点
留袖を着用する際にヘアメイク以外で注意しておくとよい点について簡単に解説しましょう。
ネイル・アクセサリーは控える
留袖コーデでは、基本的にネイルはおすすめしません。どうしてもという場合は、ベージュやライトピンクあたりの控えめなカラーにしましょう。
ただ、ネイルはしなくても指先を美しくお手入れしておくことは大事なマナーですから、十分にケアするようにしてくださいね。
また、指輪やブレスレット、イヤリング、ピアスといったアクセサリーもNGです。腕時計も留袖には合わないですし、時間を気にしていると思われるとよくないので外しておきましょう。
草履の高さ
格式の高い草履ほど、台が高いと理解してください。そのため、留袖ではもっとも格の高い草履(=高さのある草履)を選ぶのが基本ですよ。
台の高さは、側面の「巻き」を見ればわかります。巻きは、「通し」と呼ばれる芯と、「半月」と呼ばれる芯から成ります。
草履のつま先からかかとまで、一枚で繋がった層を「通し」といい、半分の長さで細長い三角形の通しが「半月」です。
もっとも格式が高いのが「3枚芯」といって、3枚の通しから成ります(中には4芯もあります)。正式には「3の3芯」といいます。前の3は通しの数で、後の3は芯の合計数です。
このすぐ下の格が「2の3芯」。通しが2枚で、真ん中に半月が1枚入っています。合計で3芯になります。
留袖では、3の3芯を履いておけば問題ありません。ただ、高すぎると不安定できちんと歩けるか心配という方は、無理をせずにもっと低いものでも構いませんよ。
ヘアメイクに関する注意点
髪型をスタイリングする際の注意点をお伝えしましょう。
整髪スプレーに注意
ヘアスタイルが崩れるとたちまち見映えが悪くなってしまうため、スプレーなどを使ってしっかり目に固めておきましょう。
とくに夏場や雨の日などは、汗や湿気で崩れやすくなるので注意してくださいね。
ただしスプレーを使う際は、留袖にかかるとシミになってクリーニングをしても落ちなくなる可能性があるため、できれば着替える前にヘアセットしましょう。どうしても袖を通してからスプレーしなければならない場合は、タオルなどで首や肩周辺をカバーしておくと安心ですよ。
着付けの際は前開きの服で
ヘアセットやメイクをしてから留袖に着替える場合は、前開きの服を着るようにしましょう。頭から被るタイプだと脱いだ時に髪型が崩れたり、服にメイクが付着してしまうことがあるからです。
留袖にふさわしい気品ある所作
最後に留袖を着用した際の所作についてご紹介しましょう。
せっかく素敵な留袖を着て、髪型がバッチリでも、動き方がぎこちなかったり、姿勢が悪かったりすると台無しです。
読むと簡単にできそうでも、いざとなると思ったように動けないことが少なくありません。とくに初めての方は、事前に練習しておくことをおすすめしますよ。
立ち方
背筋を伸ばし、頭頂部から糸で真上に引っ張られているイメージで胸を張ってやや内股で立ちます。骨盤を立てるようにして、猫背にならないようにしましょう。
お辞儀のしかた
上記の立ち方のまま、顎を引き、両手を上前の位置に合わせてゆっくりと腰から曲げます。そのまま一呼吸の間でいいので静止して、ゆっくり体を起こすと上品で奥ゆかしく見えますよ。
座り方
先ほどの立ち姿勢のまま、垂直に腰を落とすイメージです。帯が崩れないように椅子には浅く腰掛けるようにします。背もたれはいっさい使いません。足は揃えてやや斜めに引くとより美しく見えますよ。
歩き方
膝をくっつけるつもりで、やや内股で歩くのがポイントです。胸を張りすぎず、立つ時と同じで頭頂部から糸で真上に引っ張られながら真っ直ぐな線の上を歩くような要領です。
この時、足首から後ろが裾から見えない程度の歩幅で、足裏を天(草履の上面)に付けたままつま先で歩きましょう。草履を地面に擦ったり、バタバタとせわしなく音を立てたりしないように注意してくださいね。
階段の昇り降り
階段を昇る時も降りる際も、右手で上前をつまんでほんの少しだけ持ち上げます。こうすることで留袖の裾が階段に触れて汚れずにすみます。とくに昇る際は裾を踏まないで上がれるので安心でしょう。
同時に左手で手すりを持つようにすると、バランスがとりやすくなるため安全ですよ。
食事の仕方
椅子に浅く腰掛けたらナプキンを膝に広げて帯に挟みます。衿に挟むと汚れる心配がなくなるため良さそうですが、マナーに反するため控える方がよいでしょう。
食事中にグラスをもったり、離れたお皿にある料理を取ったりするときは、必ず片方の手で袖を押さえるようにします。思いの外袖が長いので、グラスを倒したり、料理で袖を汚したりしないために注意が必要です。
袖をまくるのはマナー違反ですよ。もし料理が離れていて手が届きそうもなければ、無理をせずスタッフか近くの同席者にお願いしましょう。
末広の扱い方
留袖を着る際には、「末広」という扇子を携帯するのが一般的です。先に向かって広がることから「末広がり」という意味を込めた縁起物でもあります。扇子ではありますが、フォーマルシーンでは、挨拶の道具として用いるだけで、実際にあおぐことはしません。
そのため、正面を向いてやや左側の、帯と帯揚げの間に挿して携帯し、挨拶のときだけ手に持って開かずにお辞儀をするのがマナーです。帯と帯揚げの間に挿すときは、開く側を上斜め右に向け、地紙部分が3cmほど見えるようにします。斜めに挿すことで、動く時に手が当たったり擦れたりしなくてすみますよ。
挨拶の時は末広を取り出し、上を左に向けて帯の高さで水平にし、右手で上から持ち、左手で下から支えるようにします。
まとめ
留袖は、第一礼装または準礼装にあたるため、着用する側にもそれなりの気品と礼儀が求められます。
髪型は、アップスタイルを基本とし、襟足まで綺麗に見せて清潔感を意識することが大事です。盛りすぎたり、ラフにしたりしないように注意し、髪飾りも派手にならないよう十分に配慮しましょう。
所作についても記事内でご紹介したポイントを参考にして、留袖姿がトータルで映えるように準備しておくと、自信をもってフォーマルな場に参列できると思いますよ。
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