着付け師の独り言3
はーっ。やっと落ち着いたー。
怒涛の袴も無事終了し、あとは来る五月。結婚式の着付けだわー。
あ、ご無沙汰しています。
着付け師のMと申します。
お元気ですか?
さて、3月は卒業式のシーズンでしたね。
今年はお天気にも恵まれて、皆様、良い卒業式でした♪
年々、卒業式に袴を着る卒業生のお嬢様が増えていらっしゃいます。
大学生さん、短大生さん、専門学校生さん、小学生さん!
本当に幅広くて、着付け師としては嬉しくなっちゃいます♪
基本的に女性の袴は行灯袴と言って、スカートタイプの物。
ロングスカートと同じ構造なので、着ているのはとっても楽です。
そして、今は着物レンタルショップが沢山ありますから、借りて、着せて貰って、卒後式へGO!!
そんなお手軽な卒業袴が人気だとか☆
確かに楽ですよねー。
着物は特に袴は上に着る着物と下に履く袴。こちらの2部構成。
着付けるのは比較的、簡単で、見様見真似でも着せる事は出来るのですが。
脱ぐまで、脱げない様に着せるのがとっても難しいのです。
今回の会場でもあったのが、お母様と来ていたお嬢様。
他の着付け師さんに着せて貰って、いざ、卒業式の会場に来てみたら。
何か自分の娘の袴姿がおかしい…と、感じ、
「お金ならいくらでも払うから、何とかしてください‼」と、切羽詰まったご様子で、私達に泣きついて来られました。
そのお嬢様の袴姿を見たところ…。男性用の袴の紐結びでした。。。
もう、こちらの目が点になりましたよ。
そして、袴の丈もお草履にしては短すぎて、足袋の履き口まで見えてらっしゃいます。
レンタルあるある話ですけど。
どうしてもシーズンに着用日が重なってしまって、自分のサイズが売り切れ状態。
お店の人に何とかして‼って、泣きついてもどうしようもなくて。
ワンサイズ小さ目、大き目を無理に借りてしまう。
「着付け師さんが何とかしてくれる。」そんな甘い幻想が広がってしまうようです。
ハイ!何とかできるサイズと、どうしようもないサイズがあります!
まず、袴が短い場合。それもせいぜい、3㎝~5㎝位です。
袴帯(半幅帯)で、長さをカバーする。
この方法だと、1.5㎝~3㎝位は長めに出来る場合があります。
まだ、短い場合。お草履は止めてブーツにする。
ブーツにすると、編み上げの部分を見せた方が可愛いので。
お草履のジャストサイズより5㎝位短くても大丈夫。
この辺の「大丈夫」な感覚は人それぞれの美意識によるところが大きいです。
袴が長い場合。こちらは4㎝~8㎝程度であれば短く出来ます。
袴の前のベルトのような部分、みぞおち部分に来る前の紐の部分です。
こちらを折り曲げて短くします。でも、それもせいぜい折って、2回まで。
それ以上折ってしまうと、袴の形が崩れてしまうので見苦しくなってしまいます。
サラッと袴の丈の調整方法を書きましたが。
こちらは、誰にでも出来る訳ではありません。
袴の構造を分かってない人、着付け師としての経験が浅い人が安易に行うと、あっという間に着崩れます。
袴が着崩れるという事は、袴が下に落ちるという事。
そして、落ちてしまったら分からない人、
つ・ま・り。
着せて貰ったご本人様はまず、直せない…。
今回も会場入りの時間で既に袴がずり落ちているお嬢様、沢山見かけました。
簡単そうに見える、袴の着付け。
実は着せる為の重要なポイントが沢山あって、綺麗に着せるのが難しい。
着崩れない着付けは着付け師の経験と練習が必要。
そんな基本的な事に改めて、精進しようと決心した、卒業式、袴戦線でした。
あら・・・
今回はとっても真面目でしたね。
でも、とっても大事な事なので(*^^*)
着付け師として、ちゃんとしないと!って意気込んじゃいました☆
では、また、お話し聞いて下さいねー。
では、素敵な着物ライフを♪