黒留袖 ①色や柄に何か意味はあるの?
黒留袖 ①色や柄に何か意味はあるの?
今は殆ど着ることが無くなってしまった「黒留袖」
黒留袖は、ミセス(既婚者)の第一礼装です。
黒留袖は、ミセス(既婚者)が着用する着物の中でも一番格の高い着物です
黒留袖は地色が黒で、裾にだけ模様が入っているのが大きな特徴です。
格が高い着物には家紋が入っています。
黒留袖の家紋の数は5つ。最高ランクの格付けです。
左右の胸に1つずつ、背中に1つ、左右の後ろ袖に1つずつで、計5つの家紋が入っています。
地色が黒い事、5つの家紋が入っている事。
それが全ての黒留袖に共通の特徴です。
違うところは裾に入っている模様。
この模様がなかなか悩ましいのです。
いろいろな模様がありますが、何を基準に選べば良いの?
① 色や柄に何か意味はあるの?
② 年代によっても相応しい柄ってあるの?
③ 黒留袖ってどういう時に着るものなの?
① 色や柄に何か意味はあるの?
様々な柄とそれぞれに意味があります。
代表的な黒留袖の柄付けとしては‥‥
鶴と亀:鶴は千年、亀は万年と言われるように不老長寿の象徴です。
末永く安寧にいられますように。そんな願いを込めた柄です。
鴛鴦(おしどり):鴛鴦は鴨科の水鳥で、羽の色の美しさと雌雄つがいで泳ぐ仲の良さが絵巻物などでも多用されています。
「おしどり夫婦」という言葉もあるように夫婦円満の象徴として根強い人気のある柄です。
七宝(しっぽう):輪繋ぎの一種で、円形を四つ重ねて繋いだ連読モ用の事です。
四方向に輪が広がっていくという事から四方が七宝になったと言われています。
七宝は仏教において、金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、蝦蛄(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)の事と言われています。
(※諸説あり、真珠を含む事もあるようです)
栄華栄達を表し、喜びのお席に相応しい柄の一つとされています。
他にも子孫繁栄を表す「葡萄」や「瓜」、末広がりになるように「末広(扇子のこと)」など沢山の吉祥文様があります。
こちらに挙げたのはほんの一例です。
四季の花々が描かれたもの、松竹梅など季節を問わずお召しになれる柄を使われることがとても多いです。
お祝い事は季節を問わずありますので、なるべく広範囲でお召しになれる様、柄付けを考えられたものが多くなります。
勿論、季節を問わないと言っても、大まかに夏物、冬物とありますので、そこは注意が必要です。
次回は「②年代によっても相応しい柄ってあるの?」をご説明致します。
これから、黒留袖を着る予定のある方必見ですよ。
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e-きものレンタル 編集部